長岡秀星先生によせて

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訃報/長岡秀星先生によせて

先だってこのサイトでもお知らせしました通り、2015年6月23日に、本出版美術家連盟の名誉会員長岡秀星先生が、心筋梗塞のため亡くなられました。享年78歳でした。

1970年渡米以来カーペンターズ、アースウィンド&ファイヤーのレコードジャケットなどのアルバムカバーや、NASA宇宙ステーションイラスト、F1日本グランプリなど、幅広いお仕事をされ、ご活躍をなさっていました。 出版美術家として、世界に羽ばたかれていた有能な画家を1人失いました。大変残念でなりません。

長岡先生との出会いは「あの世界的なイラストレーター長岡秀星が日本に帰国されている」との情報を受け取材を申し込んだ事から始まりました。著名な先生だけに厳しい気難しい方ではないか?との内心の心配をよそに、第一印象は人なつこい笑顔で快く取材に応じてくれました。
※長岡先生取材記事「Vol.1 レコードジャケットとの出会い〜長岡秀星」

しかし取材を進めるうちに、溢れ出る会話、後から後から湧いて来る情報に圧倒されました。中でも私が一番知りたかった、20代でアメリカに渡った時言葉もわからず、知人もいない環境に不安は無かったのか?の質問に「絵の世界にことばはいらない。見せるだけでいい。あなたにも出来る事だよ。」と難無く答えられたことが未だに忘れられない言葉でした。優れた技術とたぐいまれな実力を備えた方ならではの自信であるとは思いますが、これから未来を目指す若い方々に勇気を与えてくれる何よりの言葉でした。

長岡先生からはまだまだ多くの事を教えて頂き、また学びたかったことが悔やまれますが、心からの感謝を込めご冥福をお祈り致します。

星 恵美子